9月は紫

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おはようございます。今日から9月です。もうすぐ秋ですね。
「荻の花尾花葛花なでしこの花女郎花また藤袴朝顔の花」 
これは万葉集に収録されている「山上憶良」が秋の草花を歌ったものです。尾花はすすき、朝顔はききょうのことです。
秋の草花は秘めやかでつつましげな風情と色合いをもっています。9月は秋の花にちなんで「むらさき」です。
「万葉集」は、4千5百余りの歌が収められた日本で最も古い歌集です。この歌集の中に草歌を歌ったものが1千5百余りあり、風情と色合いが心情を表すための表現方法となっています。
例えば、「道の辺の尾花がしたの思い草今さらになど物かおもわん」
思い草(赤紫の可憐な花、なんばんぎせる)を乙女にたとえた一途な恋心が、読む人に伝わってきませんか。季節の草花(色)に心を託し、うれしさ、喜び、悲しみやせつない心を歌いあげたいにしえ人。こんな日本人の豊かな美意識と、春夏秋冬の美しい日本の風土を大切にしたいですね。
紫色は、情熱の代表の赤と沈静の代表の青を混ぜ合わせてつくります。相反する性質が混ざり合ってできることから、紫のイメージは一般的にミステリアスで不安な色とされます。
心理学的にも、不安定な時に紫を多用する傾向が多く、特に子供が紫に興味を持つことは危険信号だとも言われます。
一方、紫を染めるための自然原料、紫根や貝紫は薬としても使われています。その他、紫光や紫外線には殺菌作用があります。 陰と陽、動と静、両極の性質を持つ紫に目が行くことは、傷ついた心のバランスを回復させて立ち直ろうとする気持ちの表れではないでしょうか?
あなたも、疲れた日にはラベンダー色のお風呂にゆっくり入って、明日のための元気を取り戻しましょう。

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