「人と恭にして礼あらば、四海の内、みな兄弟なり」
礼をつくせば人は寄ってくる。この世の人は、みな兄弟だ。という意味です。
これは孔子の弟子の子夏のことばです。
都会人の砂漠化がすすんでいます。他人同士、口をきかないのが当たり前になっています。隣に人がいること自体に無関心になっています。
タクシーの運転手に行き先を告げても、返事をしてもらえないことがあります。こちらは不愉快になるばかりではなく、はたして行き先が相手に聞こえているのかどうか不安になってしまいます。
こんな時は、天気のことでも、野球のことでもなんでもいいから、返事をしない運転手に向かって何か話しかけてみることです。それでも中にはブスッとしている人もいますが、8、9割は話に乗ってきて会話が成立します。
これは、希薄になっている親子・夫婦関係や会社の上司・部下の関係にも当てはまるのではないでしょうか。
やはり人間は相互作用なのです。
こちらが「恭にして礼ならば」相手はたいていが「兄弟」となるのです。
もちろん最近の物騒な世の中では、他人に油断ならず、笑顔はもちろん、うっかり言葉をかけるのは危ないかもしれません。
しかし、それだけではあまりに味気がありません。どうせなら楽しくやりたいものです。
みずから、進んで、四海のうちに兄弟を求めたいものです。