「兵形は水に象る」
戦闘隊形は、水を見本とするのがよい。
水の形は高きを避けて下におもむき、兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因りて流れを制し、兵は敵に因りて勝ちを制す。故に兵に常勢なく、水に常形なし。
水が高いところをよけて低いところに流れていくように、戦闘も敵の強いところは避けて隙をついていくのがよい。水が地形に従って流れていくように、戦いも敵の力によって勝ちを制していくようにする。
水が固定した形を持たないように、軍の組織も固定せず、必要に応じてすぐ改変できるようにしておくことである。
水が固定した形を持たないように、軍の組織も固定せず、必要に応じてすぐ改変できるようにしておくことである。
組織というものは、ともすれば肥大化し、固定化しがちであり、次第に活力を失っていくものだ。
戦うための理想的な組織は、固定した組織を持たないことである。プロジェクトのための一時的なチームなどは、この考えの基づくものといってよいだろう。必要に応じて流動的に編成され、形を変え、終了すれば解散する。
それでこそ変化に対応できるのである。
孫子はこうも言っています。
「天下に水よりも柔軟なものはない。しかも強靭なものを浸蝕していくように、水より強力なものはないのである」