無表情

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サッカーのナビスコ杯で準優勝に終った川崎フロンターレの選手が、表彰式でガムを噛み、退場途中で準優勝メダルを外し、高円宮妃殿下の握手を拒否する選手までいて、ファンから抗議が殺到した。
一時の激情にかられて行動を制御できない人は大人として恥ずかしいと思います。
しかし、表情に乏しい日本人は海外では評判が悪いらしいです。
海外で悪評とされる無表情ですが、ほぼ農耕の村社会で生きてきた日本人は、相手のわずかな表情や声の変化で心情を察する高い能力があります。
「沈黙の提督」と呼ばれた東郷平八郎も同じだそうです。日本海海戦中はずっと無表情だったそうです。
危機に際して顔色を変えれば、部下に与える心理的動揺が大きいからだ。
土俵上の朝青龍は、一喜一憂を素直に表現します。それが悪いということではありませんが、日本人から見た横綱像とは少し違うような気がします。冷静沈着な横綱を理想としてしまうのは私だけでしょうか。
「目は口ほどに物を言う」ということわざがありますが、さらに進んで「眉を読む」という言葉があります。
眉の微妙な変化で他人の心情を察することです。平安貴族が眉を剃ったのも、感情を表に出すことを恥としたそうです。
レオナルド・ダビンチの「モナリザ」はモナリザスマイルと呼ばれています。しかし、冷静に鑑賞すると悲しんでいるようにも見えます。
どちらともいえない無表情な顔が、世界中の人の心を引き付けている理由かもしれません。

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