生活に役にたっているシンナー

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塗料の薄め液として一般によく使われているシンナー(有機溶剤)には、原材料としてキシレンなどのVOCが含まれています。すなわち、シンナーが蒸発すれば、大気に放出され、VOCとして環境への負荷が大きくなり、大気への影響も無視できません。
しかし、その一方で、塗料はシンナーを使用することにより、実に多くの効果を発揮しています。VOCの問題を考えるにあたっては、シンナーなどの有効性を知っておくことが大切です。
シンナーとは、ひとことで言えば、油性塗料の「薄め液」です。何かを油性塗料で塗装するとき、粘りのある状態の塗料原液をハケなどを使って、ムラなく平らに塗っていくのは至難の技ですが、シンナーで薄めてサラサラした状態にすれば簡単です。
また、ドロドロの状態ではスプレーで吹き付け塗装することはできませんが、サラサラした状態なら、これができます。
シンナーの成分であるキシレンなどは、その元をたどれば「石油」です。したがって、同様に「石油」からできた油性塗料の原液と混ざりやすい(親油性がある)のです。「水」では、油性塗料を薄めることはできません。
さらに、塗料を塗った後に堅い膜(塗膜)に姿を変えていき、長くその状態を保てるのも、塗膜の中からシンナーが蒸発することが一助となっています。
このようにシンナーは、油性塗料には欠かすことのできない原材料なのです。
塗料だけではありません。印刷インキ、ドライクリーニング剤、マニキュア、ホームクリーナーはもとより世の中の多くの製品の製造段階において、シンナー(有機溶剤)が使われており、私たちの生活になくてはならないものとなっています。

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