すっぴん

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「すっぴん」好きを公言する男が最近やけに増えてきたそうです。
女性タレントがブログですっぴん写真を公開すれば、ネットには絶賛する声があふれ、化粧品会社による「好きな女性のメイク」の調査でも「すっぴん」「ナチュラル」を支持する男性がじつに90%以上。
周りを見渡しても、きちんとメイクしている女性よりすっぴん好きと言う男は多いのだ。
 
なぜ男はすっぴんが好きなのか。
20~30代の男性二十数人に聞いて回ったところ、「化粧の濃い女性は派手で遊んでいそう」「すっぴん好きというより、すっぴんでもキレイな女性が好き」「あとでだまされた!と思いたくない」「化粧品の匂いが苦手」…等々と、その理由は人それぞれ。
とはいえ、はっきりしているのは、男のすっぴん好きはなにも最近始まったものではないということみたいです。
化粧文化を研究している石井かおり駒沢女子大准教授の『化粧せずには生きられない人間の歴史』によると、歴史的に西洋社会では女性の化粧は否定的にとらえられてきたといいます。
キリスト教では「男性が文明の担い手であるのに対して女性は自然に近い存在」と考えられていて、女性が化粧をしたりして美しく身を飾ることは罪とされてきた。
また、化粧することは結果として男の目を惹いて「よからぬこと」を起こすもとになるという考えもあり、中世ヨーロッパでは街中の女性がすっぴんだったという。
この西洋社会的な考え方が最近の傾向と結びついているとはかぎらないが、こうしてみると、女性の化粧の否定は、ある種の男尊女卑でもあったりするかもしれないのです。
ちなみに男にも歴史的に化粧する文化があり、日本の場合、男が化粧をしなくなったのは明治維新以降のたかだか100年にすぎないそうです。
明治の近代化政策によって外見の「男らしさ」「女らしさ」といったものを規定されてからで、それまでは男もずっと化粧をしていたのだといいます。

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