囲師は周するなかれ

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「囲師は周するなかれ」
「師」は軍隊のこと。「囲師」は軍隊を包囲すること。「周」は周囲の周で、完全に包囲することを意味する。
敵軍を囲むときは完全包囲してはならないということです。
これは「孫子」の兵法のなかでも重要なもののひとつです。
完全に隙間なく敵を包囲してしまうと、逃げられなくなった敵は、どうせ死ぬならと必死になり、思わぬ力を発揮します。
「窮鼠かえって猫を噛む」
それよりも、どこか逃げ場をあけておいてやると、敵は戦意を失い、何とか助かろうとその隙間に殺到します。そこを待ち受けてやっつければよい。
人間関係でも相手にあまり完全さを求めすぎてはならない。人間には多少の隙間というか、クッションが必要である。遊びがなければならないのだ。
また、部下にしても子供にしても、人を叱るとき、相手のグーの音も出ないまでにやっつけてはならない。
それでは、相手が反省するよりも、なんとかして言い逃れようと口実探しに躍起となるだろう。それよりも、反省する余地をのこして叱ることが大切です。
人と議論するときも同様です。相手をあまり追い詰めてしまうと、相手は無理にでも反論し、論争は違う方向にいってしまう。それよりも相手に反論の余地をあけておくことが大切です。
そのリードの仕方によっては、こちらの議論に同調させることも可能です。

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