心頭を滅却すれば火もまた涼し

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「心頭を滅却すれば火もまた涼し」
日本の戦国時代、織田信長の軍勢は甲斐の武田氏を滅ぼしました。
その時に菩提寺である恵林寺をも攻めて火を放ちました。
住職の快川和尚は山門の楼上にすわり、燃えさかる炎の中でこの一句を唱えて覚悟の焼死を遂げたと伝えられています。
この句は唐の有名な詩人杜筍鶴の次の詩が出典だといわれています。
三伏 門を閉じて一のうを披く 
(夏の真っ盛り、門を閉じて僧衣を脱いでいる)
兼ねて松竹 房廊に蔭なし 
(建物には木陰もない)
いずくんぞ禅 必ずしも山水を須いん 
(だが、涼をとるのに山水は必要ない)
心頭を滅却すれば 火も自ら涼し 
(雑念を去り、無念無想の境地に入れば、火もけっして熱くは感じないものだ)
ここまで徹底できなくても、覚悟してしまえば、人間は相当なことができる。
どうにもならないと思った時はいっそのこと、この境地で開き直ってしまえば、かえって切り抜けられるかもしれません。

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